コロナ禍で浮き彫りになった、「応募者全員面接」の課題
今回、なぜ『VideoInterview(ビデオインタビュー)』を導入しようと?
最も大きな導入理由としては、新型コロナウイルスの感染拡大防止です。
当市では書類選考を行なっておらず、基本的に、応募いただいた方全員とお会いするようにしています。
ただ……今回人材募集を行なったのは2020年4月頃。ちょうど、新型コロナウイルスが猛威を振るい緊急事態宣言が発令された時期でした。
対面での面接は、受験者、市職員お互いにリスクが高すぎますよね。遠方に住む方からの応募も多かったので、四条畷に暮らす市民の方々にも不安を与えてしまうかもしれない、と。
そこで、対面せず選考を行なうことができる『VideoInterview』の導入を考えました。
対面を避ける意味であれば、「オンライン面接」という方法もありますよね。
そうですね、じつは「録画面接」の導入においてもう一つ期待していたことがあって。1次選考の工数削減につなげられないかと考えていたんです。
先ほどお伝えしたように私たちは応募者全員とお会いしているので、1次面接には毎回かなりの時間がかかっていました。
たとえば前回募集時は、約200名の方を職員総出で面接しました。受験者一人あたりの面接時間はたった10分ほどですが、それでも丸2日かかった覚えがあります。
さらに今回は、過去最多となる1468名の応募をいただきまして。オンライン面接に切り替えたとしても、面接側のかかる工数は変わりませんよね。緊急事態宣言を受けて職員は交代制勤務という状況にもなっていたので、さすがに1500名近い方々を全員面接することは難しいと思ったんです。
録画映像を通した面接であれば、接触せず、かつ時間と場所を選ばずに選考ができる。そういった意味で、『VideoInterview』は非常に有効ではないかと考えました。

候補者が撮影した「動画」で、2次選考に進む人材を見極め
実際に、『VideoInterview』は選考においてどのように活用されましたか?
これまで対面で行なっていた1次面接を「録画面接」に切り替えました。
具体的な選考フローとしては、まずご応募いただいた方皆さんに『VideoInterview』の案内を自動送付。返信があった方、かつ、動画の内容を点数化し高評価だった方のみ次の面接に進んでいただくという流れです。
結果として、応募者1468名のうち、動画を送ってくださったのが516名。そのうち通過者は113名でした。
動画ではどのような質問のやり取りをされていたのか気になります。
まずこちらで質問を3つ用意して、それぞれ3分以内で回答を録画していただくという内容です。
1問目:志望動機を教えてください。
2問目:四條畷市の職員となった場合、どのようなことに取り組んでみたいですか。
3問目:今までの職歴の中で、チームで何かをやり遂げた経験はありますか。あなたの役割も含めて、具体的に教えてください。
これらの質問への回答と受け答えの様子を見て、主体性や協調性、組織適応力、表現力、意欲、人柄などを判断。面接官の間で細かく基準を設けて、総合的に判断させていただきました。

選考工数が半分以下に!応募者満足度も「92%」
初めて「録画面接」を導入してみての、率直な感想をお聞かせください。
まず、面接にかかる工数を削減できたのは非常に良かったと感じています。
今回緊急事態宣言下で交代制勤務となり、選考に関わることができた職員は5名ほど。しかし時間と場所に縛られず選考を進められたため、かなりの応募人数があったにもかかわらず、1次選考にかかる時間は前回の半分以下になりました。
また、受験者からの評判もとても良かったです。
録画面接実施後のアンケートでは、受験者の92%が「良かった」または「大変良かった」と回答されました。
「撮り直しができて良かった」「落ち着いて話すことができた」「仕事の都合に合わせて受験できた」など、前向きなコメントが散見。実際に、深夜や明け方に録画されている方、車の中で撮影されている方などもいらっしゃいました。
今回民間企業の経験者を募集していたこともあり、日中はお仕事をされている応募者の方がほとんど。日時や場所を指定していたら、逆に良い人材の採用をとりこぼしてしまっていたかもしれません。

「動画版履歴書」として、有効的な活用を
最後に、今後どのように『VideoInterview』を活用していきたいか伺えますでしょうか。
やはり本音を言えば「直接会いたい」というのがあるのですが、応募が殺到した場合や、非接触が求められる状況においては難しいですよね。
そういった際に、「録画面接」は非常に効果的な手法だと思います。
録画と聞くと「オンライン面接」と比較される方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちとしては精度の高い見極めツールといいますか、「履歴書をアップデートしたもの」だと考えているんです。
動画を撮って送るという手間は、ある意味で「意欲の見極め」にもつながります。紙の履歴書では判断が難しい「印象・話し方」などを事前にチェックできる点も、非常に有難いですよね。
見極めの精度を高め、かつ選考工数の削減にもつながるツールは、なかなかめずらしいのではないでしょうか。今回の導入を通して「録画面接」は非常に有用だと実感しましたので、今年の秋の採用においても、すでに『VideoInterview』の活用を予定しています。
今後コロナの状況が落ち着いた後も、ぜひ「録画面接」で素敵な人材とのご縁をつないでいければと思います。